ほめ上手は子育て上手

1.親子関係の土台

 

親子関係の土台

「子どもは褒めて育てよう」とよく言われます。
「十褒めて一叱れ」と具体的に数字で言われることもあります。
しかし、実際に親になってみると、現実ではなかなか難しいことが分かります。

 最近、「褒めすぎはよくない」「褒めてばかりだと、褒めないとやらなくなる」という言葉もよく耳にします。
普段、あまり子どもを褒めないタイプの親は、その言葉に納得し、そのまま「褒めない毎日」を過ごし、多くの子どもが親からあまり褒められないまま大きくなっていきます。

 一方、「私って褒められたら伸びるタイプ」と思っている大人も多く存在します。親に褒められていなくても、自分の人生経験から褒められることの喜びや効果を知り、褒められて伸びることを自覚しているのです。
それなのに、
なぜか自分の子どもだけは「叱られたら伸びるタイプ」だと思ってしまうようです。

違います!
実は、すべての子どもが「褒められたら伸びるタイプ」なのです。
この場を借りてあらためて申し上げたいと思います。
「子どもはどんどんほめましょう!」「子どもは褒めてこそ伸びる」と。

子どもは褒められたことを繰り返そうとします。褒めてくれる人を好きになり、その人の言うことには聞く耳を持つようになります。
褒めるだけで、親の言うことを聞ける子どもになり、自然にいいしつけが出来上がっていきます。

褒めることは、いい親子関係を築く土台となっていきます。

褒め上手な親は、子育て上手な親なのです。

 

(KANSAIこども研究所所長・原坂一郎)

 

2.日常の当たり前 (チャンスはたくさんあります)


日常の当たり前

「子どもは褒めて育てよう」と言うと、「子どもは何を褒めたらいいのか分からない」とおっしゃる親御さんが必ずいます。
中には「うちの子には褒めるところなんかない」と言う方も。

そんなことはありません。
子どもはどんな子でも、褒められべきことを毎日たくさんしています。
例えば、食事のときに「いただきます」や「ごちそうさま」をきちんと言ったなら、それはもう立派な褒めどころです。
出されたものを残さないで食べたり、食後にきちんと歯を磨いたりしたなら、それも褒めるチャンスです。

 

「そんなことはやって当たり前、褒めることではない」と言うなかれ。
食事のときにあいさつもしない、よく残す、促しても歯を磨かない、と言っては悩んでいる親御さんはたくさんいます。それらは十分、褒められてしかるべきことなのです。

その他では、「近所の人にあいさつをされて、きちんと返せた」「宿題を終わらせてからテレビを見た」「玄関で靴をそろえて脱いだ」日常の中で当たり前のようにしたとしても、それらはすべて「褒められるべき行動」です。

 

子どもの褒めどころは、一見やって当たり前のように見えるものの中にたくさん潜んでいます。子どもも、別に褒められようと思ってやったのではないのに褒めてもらうと嬉しくなり、その行動を繰り返したくなります。するとその行動は知らず知らずのうちに定着し、しつけも完了する、というわけです。

 

日々の中で、子どもが少しでも望ましいことをしたときは、どんどん褒めてみてください。
子どもは、きっと変わりますよ。

 

(KANSAIこども研究所所長・原坂一郎)

 

3.すべきことできた時 (叱るよりも効果的)

 

すべきことできた時

親が子どもを叱るのはどんなときでしょう。
多分、それは、「すべきことをしなかったとき」と「すべきでないことをしたとき」ではないでしょうか。

「宿題をしなかった」「返事をしなかった」「人にあいさつをしなかった」「ごめんと謝らなかった」これらで叱るのは、すべて「すべきことをしなかった」からです。
「道路に飛び出した」「図書館で大声を出した」「靴を脱ぎ散らかした」などのときに叱るのは「すべきでないこと」をしたからです。

では、それらをきちんとしたときはどうでしょう。子どもを褒めているでしょうか?
実は、ここが大切なポイントです。
例えば、「呼ばれて、きちんと返事をしたときに褒める」「人にあいさつができたときにちょっと褒める」「ちゃんと謝ることができたときに褒める」
たったそれだけで、こどもは次からも同じ事ができるようになるのです。子どもは、褒められたことを繰り返す習慣があるからです。

私は保育士時代、食後に「ごちそうさま」も何も言わない子どもはほっておき、きちんと言えた子どもには「はい、ちゃんと言えたね」と褒めていました。トイレのスリッパを脱ぎ散らかす子どもを叱るのではなく、そろえた子どもを褒めていました。
すると、どうなったでしょう?
褒められた子どもは翌日、さらに元気よく「ごちそうさま」と言えるようになりました。トイレのスリッパは、そろえていなかった子どもまでが、そろえるようになっていきました。

行儀や習慣など、子どもに定着させたい行動がある場合は、それができないことを叱るよりも、できたときに褒める方が断然、効果があるのです。
いざ、お試しあれ。

 

(KANSAIこども研究所所長・原坂一郎)

 

4.特別な言葉要らず (行動口に出すだけでOK)

 

特別な言葉要らず

 皆さんは「子どもへの褒め言葉」と言えば、どんな言葉が思い浮かぶでしょうか。
おそらく「偉いね」「すごいね」「かわいい」「かっこいい」などがすぐに思い付くと思います。しかし、人前で、わが子に対して「偉いね」「かわいいね」などは、何となくいいにくいですよね。それで、つい褒める機会を無くしてしまう家庭が多いのだと思います。

子どもを褒めるときはそんな言葉を言わなくてもいいのです。ではどうするか?子どもが望ましいことをしたとき、その行動をそのまま口で言えばいいのです。

 

例えば、靴をそろえたなら「ちゃんと靴をそろえたね」と言い、近所の人にあいさつができたら「ちゃんとあいさつしたね」と言う。食事を残さずに食べたら「全部食べたね」と言えばいいのです。「偉いね」「すごいね」なんか、一言もも言わず、子どもの行動をそのまま口にしただけですが、それらは見事に褒め言葉になっています。また、これなら人前でも堂々と言うことができます。

 

子どもも、別に褒められようと思ってやったわけでもないのに、そんなふうに言ってもらえると、「自分を見ていてくれた」「認めてもらえた」と思い、うれしくなって、また同じことをしようという気持ちになります。繰り返すうちnその行動はやがて定着します。
特別な言葉は要りません。「褒めている」「認めている」という気持ちを繰り返し伝えることが重要です。

 

(KANSAIこども研究所所長・原坂一郎)